9月27日、成都蓉矽半導体有限会社(以下「蓉矽半導体」)はオンライン新製品発表会を行い、第1世代のSiC NovuSiC® MOSFET G1を発表し、第2世代G2の量産スケジュールを予告しました。蓉矽半導体副社長の高巍博士は製品の性能に焦点を当て、「厚く蓄積し一躍注目、革新は止まらず」というテーマの報告を行い、SiC MOSFETの開発過程、設計理念と独特な優位性を詳しく紹介しました。王徳強応用エンジニアは製品応用をめぐって応用分野、応用シーンとソリューションを展示し、蓉矽半導体の自主研究開発の実力と車載チップ市場シェアを奪い合うの決意を示しました。
蓉矽半導体、新しい道を切り開くことに注力する新鋭企業
1950年代、世界の半導体産業が始まり、70年代末以来、平面型、溝型パワーMOSFET、IGBTが相次いで登場しました。社会の電化レベルの継続的な向上に伴い、パワーMOSFETは製造プロセスの進歩、技術の向上、材料の反復進化の過程を経ました。一方、SiCの材料製造準備における重大な突破を通して、SiCデバイスの商業化プロセスが大きく推進しました。
SiCは第3世代半導体材料として、ワイドバンドギャップ、高ブレークダウン電界強度、高熱伝導率と高電子飽和速度の優れた物理性能を持ち、SiCパワー半導体デバイスは耐高圧、耐高温、スイッチング速度が速く、損失が低いなどの顕著な優位性を備え、回路基板の省スペース化、システムの省コスト化、省エネ化、電力密度とシステム効率などの性能の大幅な向上を実現できます。国内市場に対して、SiC MOSFETは技術の難しさとプロセスの複雑さにより、主に輸入に依存します。さらに新エネルギー自動車、産業制御電源、太陽光発電インバータなどの新技術への応用と需要が急速に増加し、国産化の伸びしろはまだ十分あります。
蓉矽は2019年に設立され、四川省初のワイドバンドギャップ半導体SiCパワーデバイスの設計と開発に専念したハイテクノロジー企業です。900日以上の研究開発、スキルを磨の、経験を蓄積するのを経過し、2022年6月末に自主開発SiC NovuSiC®EJBS™ダイオードシリーズを表発してから、今回の発表会ではNovuSiC®1200 V/75 mΩMOSFET G1製品が発売されました 。
NovuSiC® 1200V/75mΩ MOSFET 高コスパと高信頼性を兼ね備えたSiC製品
NovuSiC®1200V/75mΩ MOSFET は静的損失を大幅に削減と同時に、動的損失を削減し、システム全体の出力密度を向上し、システム総コストを低減することができ、新エネルギー自動車、EV直流充電器、太陽光発電システムなどの分野で注目を浴びています。
蓉矽半導体はSiC MOSFETの開発過程において、応用シーンから始まり、電気性能、ロバスト性と信頼性のバランス、最適化の理念を堅持します。つまり、特性オン抵抗とゲート酸化膜電界を両立させると同時に、より低いゲート電圧駆動を利用し、ゲート酸化膜プロセスとゲート酸化膜電界強度を最適化し、ジャンクションの曲率効果を低減するなどの取り組みによりデバイスのロバスト性と長期信頼性を向上させます。
電気性能とロバスト性に関しては、VGS= 16Vの場合、75mΩのオン抵抗を達成できます。VGS= 18Vの場合、特性オン抵抗は4.17mΩ.cm²で、国内市場のトップにランク付けされます。 1200Vの時点で、JFETエリアのゲート酸化膜電界強度は通常4.0mV/cmの制限よりもはるかに小さい。VDD= 800Vの場合、短絡耐性時間>3μsです。NovuSiC® 1200V/75mΩ MOSFETはチャネル密度を高めると同時に、JFETエリアの有効面積を下げ、Cgdを下げることによって動的特性を最適化した、ゲート電荷は国際競合品と近似し、業界平均よりも優れました。G2から(1Q’23)は現在の国際最先端技術基準を満たします。蓉矽半導体の革新と品質への究極の追求を反映しています。
図1:蓉矽半導体Novusic®1200V/75MΩ MOSFET導通特性
図2:蓉矽半導体Novusic®1200V/75MΩ MOSFET短絡ロバスト性
图3 異なるメーカーのゲート電荷とFOM対比
信頼性において、FNトンネル、トラップ補助トンネル及び外部欠陥によるゲート酸化膜の劣化、故障などのリスクに対して、蓉矽半導体は「ゲート酸化膜の電界を制御し、ゲート酸化膜の品質を向上させる/ゲート酸化膜の欠陥をスクリーン」の戦略を提案し、それに対する最適化を行い、さらにゲート酸化膜の信頼性を向上させます。
1.平面SiC MOSFETにおいて、ゲート酸化膜の高電界は主にチャネル位置とJEFTエリアのゲート酸化膜中心位置に集中しています。
①チャネル位置における電界に対して:より低い動作ゲート電圧を使用することにより、ゲート酸化膜の長期信頼性が保障されます。
②JEFTエリアゲート酸化膜中心位置に対して:設計当初から定格遮断電圧1200 V時のゲート酸化膜電界強度を低いレベルに制限し、従来の4.0 MV/cmの制限をはるかに下回って、電界強度を低減させます。
2.ウェーハテスト段階では、WLTBI(Wafer−Level Test&Burn−In)基準を導入し、製品ライフサイクルにおけるゲート酸化膜の潜在的な劣化/故障をスクリーニングします。
図4:蓉矽半導体の信頼性保障方法
高巍博士は蓉矽半導体の第1世代NovuSiC® 1200 V/75 mΩ MOSFET G1 について 詳しく紹介しただけではなく、G2製品の開発進捗及び性能優位性も予告しました。
NovuSiC® MOSFET G 2はより先進的なプロセスとより優れた設計に基づき、動静的特性を大幅に向上させる。そのうち、特性オン抵抗Ron、spは24%低下でき、ゲート電荷Qgは25%低下し、高効率、高スイッチング周波数、高電力密度の性能優位性を持ちます。
新エネルギー自動車の応用ニーズを満たす 我が国の自動車電動化モデルチェンジと発展を促進
新エネルギー自動車、EV充電器、電気駆動制御などの分野では、SiCパワーデバイスは自動車の効率と航続距離を向上させることができ、応用の主流傾向です。さらに、中国には世界最大の市場規模があり、業界需要は旺盛です。蓉矽半導体は異なる応用シーンに応じて高コスパのNovuSiC®シリーズ製品と高信頼性のDuraSiC®シリーズ製品を発売しました。その中で、DuraSiC®シリーズ製品は主にOBCと車載DC-DCに応用されています。
図5:OBC 800Vバッテリープラットフォームシステム
現在、急速充電と双方向充放電需要の継続的な増加に伴い、OBC入力電圧は380 VAC、電池電圧は800 Vに上昇し、1200 V SiCデバイスを使用することでシステムトポロジーを簡略化でき、高圧応用の需要を満たすことができます。三相全架橋PFCと双方向共振DC-DCトポロジー応用には全部SiC MOSFETを採用されば、双方向充放電機能を実現し、出力を11 kW以上に向上させ、損失を50%以上低減し、同時に磁性デバイスの体積を70%以上削減させ、ピーク効率を97%以上向上させることができます。
EV直流充電器の分野では、高圧化、スマート化、多元化の発展傾向が明らかになりました。直流充電モジュールの主トポロジーでは、蓉矽NovuSiC®ソリューションはDC-DCシステムが簡単で、制御が便利で、スイッチング損失が低く、効率向上が明らかであるなど多くの利点があり、より多くの制御資源をレリーズすることができます。
10 kW太陽光発電インバーターの応用において、Si IGBTソリューションと比べると、蓉矽SiC NovuSiC®ソリューションを使用した後、20 kHzスイッチング周波数で、総損失を50%低減し、効率を2%向上させることができ、或は総損失が同じ場合、スイッチング周波数は2倍になり、システム体積を60%以上低減させます。
お客様が製品開発の前期にソリューションの実行可能性を評価しやすいように、蓉矽半導体は特に「EVAL-MAIN」評価ボードを開発し、お客様にシングルダブルパルステストを提供し、スイッチングの動的特性を評価します。
図6:蓉矽SiC MOSFET駆動評価ボード実物図
この評価ボードはマザーボードとフレキシブル駆動サブボードから構成され、コンデンサと磁気の2種類のアイソレーション技術があります。この評価ボードはTO 247-3とTO 247-4パッケージのSiC MOSFETに適用し、複数のドライバデバイスにも対応でき、テスト評価を行うことができます。
最後に
設立以来、蓉矽半導体は着実に歩み、製品開発の各段階はすべて真実を求め、真面目に扱い、お客様ニーズを満たし、お客様のために価値を生みだします。将来、蓉矽は「厚く蓄積し一躍注目、革新止まらず」、中国をリードするパワー半導体の研究開発と製造基地になるという目標に向かって加速的に前進し、科学技術革新で国の「ダブルカーボン」プロセスを支援します。